ちよの幼稚園の考え
ここでは「こどもがどのように気づき・学んでいるのか?」を画像を通じてご紹介します。
玄関の靴
幼児期に大切な生活全般での支援。玄関から入ると靴があります。ただそろえるのではなく、その理由を考えあいます。
ガタガタになっている靴が泣いています。靴さんどうして泣いているんだろう?
「気持ち悪いよ」「お家にちゃんと戻りたいよ」「仲良くしていたいよ」「さみしいよ」
どうしてそろえなければならないの?「そろえると気持ちがいい」「見ててすっきりする」「元気になる」「なんでも頑張れる気がする」「今日も1日頑張るぞ」そんな話しあいをしてにっこり笑った靴さんの姿を見て笑顔になります。
その後は意識をしていくようになります。他の学年の靴を揃える年長の子もいたり靴一つでも大きく心を育てる事ができます。生活面の一つひとつの理由を考え、学んでいきます。
体育遊び
各学年で体育遊びをしています。年少から体育講師の先生と遊び、クラス担任とも動的遊びを楽しみます。年長になると毎日20分間サーキット運動をしていろんなことに挑戦していきます。
跳び箱、縄跳び、鉄棒、側転、逆立ち、ブリッジ歩き等たくさんの事を少しずつレベルを上げて高めていきます。「もうちょっと腕を曲げて」「ここの印に両手をおくといいよ」「できなくても大丈夫1回1回ゆっくりやるとできるよ」その段階で子ども達がそれぞれ上手になるコツを教えあったり、できた時に自分の事のようにして喜び合います。
教師もそんな頑張る子を褒め、友達を褒めたり支えあう子を更に大きく褒め、自分達で高めあう雰囲気づくりをしていきます。1年間努力を積み重ねてできた喜びは大きな力になり表情が輝いていきます。
乗り物遊び・お店屋さん遊び
一般的にごっこ遊びは見立てて遊びあう活動です。幼稚園でも2歳児、年少とごっこ遊びをたくさん行い、友達と遊びを共有しあったり、いろんな発想を生み出していきます。3学期に全園児で縦割りの活動で、幼稚園全体を町にしてごっこ遊びが展開されます。
お店屋さんはどんなお店があるのかお家で調べ学習をして、行きたい所を決め、実際にアピタに行き、マクドナルド等に出かけて体験をします。そのあとにグループで商品を作ります。レジや帽子、制服等も作る子もいていつものごっこ遊びよりもグレードUP。
乗り物遊びは年長が担当。こちらも調べ学習で持ち寄ったものを出し合って進めます。年長になると鍵の構造をいろいろ考え、旅のイベント等お客さんを喜ばせるために考えてきます。家庭で考え、園で情報を合わせて協同的な遊びが展開されます。意見が合わない等がありますが折り合いをつけていきます。
この園ではごっこだけでなく実社会とつなぐ学びをします。お店がないとどうなのか?乗り物の運転で一番大切な事は等話し合いを大切にして社会への感謝と今の自分でできることを話し合います。
「命を守ってくれてありがとう」「いつもおいしい野菜を売ってくださってありがとう」等全員の声を出しまとめ上げます。これがちよの幼稚園の乗り物・お店屋さん遊びです。
歌唱指導
1歳児から歌に親しみ、2歳児より歌を歌っています。♪ドレミがだいすきどれみひめ、ソの音のシャワーをお花にかけよう!ミュージックステップという音を体で表現する方法などを用いて、いろいろな歌を歌っています。
年長になると裏声もで使って歌うようになります。歌はただ歌うのではなく、歌詞の意味を満3、年少ではパネルシアターなどでイメージを作り、年中・長になると自分たちで調べあって意味を考えています。
NHKで歌われている『花は咲く』を年長組で歌います。その時には、東日本大震災でどんなことが起こったのか?その時の気持ちや背景を感じ、瓦礫の中から咲きだした花はどんな花なのかを考え、それぞれイメージした花の絵を持ち寄ります。感情が歌に入り、より素晴らしいものになります。歌は人に心を伝える素晴らしいものととらえ毎日取り組んでいます。
遠足での学び
年中組では遠足で鶴来へと出かけ、自然散策をします。そこでは豊かな自然に囲まれ、草花の香りや風で揺れる音、葉の色の違いなど五感を使って様々な変化を感じ取ります。
先生や友達と見つけたものを見せ合ったり、集めた木の実の数を競ったり、虫探をしたりと思い思いの遊びを楽しみ、自然との関わりが深まっていきます。その中で豊かな感性や創造力が育まれていきます。
こま回し大会
開園以来ずっと取り組んでいる「こま回し大会」。時代の流れと共にこままわし大会も変化してきていますが、最後まであきらめないで頑張る所は今も昔も変わりません。
全園児の前で年長組が一人ずつ回す所を披露します。大会までの間にはいろいろなドラマがあります。回らない友達のために家で回す方法を考え、絵で描いて一緒に取り組みます。回せなくてあきらめてしまう子も友達の力を借りて頑張ります。
こま回し大会で年下の子に何を見せたい?「みんなで支えあって全員が回せる姿を見せたい」「年長はこんなにすごいんだというところ」「お友達を最後まで応援するところ」などたくさんの声を引き出してからこま回し大会に挑みます。当日は緊張で回らない子も出ますが、今までの積み重ねで自分の事のようにみんな身を乗り出して応援し、その姿に年下の子も引きずられていきます。
最後に全員が回った時の大歓声。最後の子に感想を引き出すと「みんなが最後まで応援してくれたから」幼稚園全体の心が一つになるひとときでした。このバトンを40年間渡し続けています。
今年もつなげます。形ではなく、心を育てる事を。
ごっこ遊び
ごっこ遊びでは友達と遊びを共有し、学びを深めるとても大切な活動です。保育室のイスをバスに見立てて並べて「バスが出発しますよー」と声を掛けると、すぐに満席に!おままごとのおもちゃの鍋蓋やお皿をハンドルに見立てて、バスごっこが始まります。先生が「どこに行きますかー?」と聞くと「恐竜博物館!」「公園がいい!」と嬉しそうに答えてくれます。「恐竜博物館に着きましたよ!」と伝えると嬉しそうに席を立ち、おもちゃのブロックを持ってきて「先生!恐竜さんのたまご見つけたよ!」と言って見せてくれます。
子どもたちはこのように遊びを通して空想の世界に入り込み、表現力や創造力等の力を育んでいます。我々、教師は遊びが更に広がるように、援助、声掛けをしています。
教師との信頼関係
幼稚園が大好き、先生が大好き、お友達が大好きと思えるような環境作りや関わりを日々行います。そこで一番大切にしていることは子どもたちの気持ちを受け止めることです。「先生は僕の気持ちをわかってくれる」幼稚園がお家とはまた違った安心できる所と感じられるよう保育を行っています。
主体的に学ぶ(夕涼み会を通して)
1学期の自由遊びの子ども達です。入園当初から踊ることが大好きでいつも曲に合わせてリズムにのり、お友達みんなで楽しむ姿がありました。「先生!CD流して~!」の声で自然と集まり夕涼み会の曲に合わせてダンスをしている様子です。
「おててピーンってできるよ!」「みてー!」「私も!!」と遊びの中にも関わらずどの子ども達も活き活きと楽しみながら踊っていました。初めての大きな行事に向けて毎日たのしくお友達と一緒に取り組んでいる子ども達です。楽しみながら学びあう。そんな気持ちが育ちあえる環境を大切にしています。
食育での学び
各学年年間栽培計画を基に様々な野菜を植え、育てていきます。お米やさつまいも等を学年に合わせて育て、学びを深めます。
年少組では春にはミニトマト、秋には大根などの栽培・観察・収穫を通して自分たちで育てた野菜に愛情を持ち、苦手なものにも挑戦したり、次第に食に興味を持ち始めます。3学期には食べ物の匂いや手触りなど五感を感じ合ったり、食べる物には3つのお部屋(筋肉マン、ガソリンマン、おそうじマン)に分かれることを知ったり、イラストを通して楽しく考え合っています。
考え合った後は給食の時など子ども達同士でおかずをお部屋に分類する姿や今まで以上に頑張って食べようとする姿が見られるようになります。バランスよく食事をすることの大切さを知り、更に食に興味を持ち、お友達と一緒に食べる楽しさを味わっています。